TAVI

経カテーテル的大動脈弁留置術

大動脈弁狭窄症に対する低侵襲治療

治療実績(2023/3/14現在)

301

経大腿動脈アプローチ(TF)248件
経心尖アプローチ(TA)51件
経大動脈アプローチ(TAo)2件

福山循環器病院は、広島県東部地区で唯一TAVI治療が可能な施設です

TAVIとは

TAVIとは、経カテーテル的大動脈弁留置術(Transcatheter Aortic Valve Implantation)の略で、重症の大動脈弁狭窄症に対するカテーテル治療です。

石灰化などが原因で弁の開きが悪くなった大動脈弁の内側に、カテーテルを用いて新しい人工弁を留置します。
重症大動脈弁狭窄症に対する標準的な治療法は、開胸して行う外科的大動脈弁置換術ですが、高齢な方や他の疾病で外科的手術が困難であった患者さんへの選択肢の一つとして開発され、徐々にその適応が広がってきています。

以前は開胸手術に対して高リスクであると判断された患者さんがTAVIの適応となっていましたが、2020年に日本循環器学会から出された大動脈弁狭窄症に対する治療ガイドラインの改訂により、重症大動脈弁狭窄症の全ての患者さんにTAVI治療が可能となりました。
明確な年齢基準は決まっておりませんが、優先的に考慮するおおまかな目安として、80歳以上がTAVI、75歳未満は外科的大動脈弁置換術となっております。

TAVIのメリット

1.

身体への負担が少ない

心臓を停止させる必要や胸を大きく開ける必要が無いため、患者さんの身体への負担が少ない

2.

外科的手術のリスクが高い方でも手術が可能

ご高齢の方や他の疾病で外科的手術のリスクが高い方、心臓手術の既往がある方などでも選択が可能

3.

短い入院期間で治療が可能

大きく胸を切る必要がない為、比較的短い入院期間で退院が可能

4.

輸血が少なく、手術が可能

人工心肺を使用しない為、従来の外科的手術に比べ、手術中の輸血が少なくすむ(もしくは無輸血)可能性がある

TAVI治療動画

バルーン拡張型デバイスによるTAVI
経心尖アプローチ

バルーン拡張型デバイスによるTAVI
経大腿動脈アプローチ

TAV in SAV
外科的大動脈弁置換術後の生体弁機能不全に対するTAVI

外科手術で使用する生体弁は、耐久年数が約10~20年と言われています。

大動脈弁疾患に対して、生体弁を用いた外科的大動脈弁置換術を行った患者さんで、その後、生体弁が狭窄や逆流をきたすことがあり、正常に機能しなくなった状態を「生体弁機能不全」と言います。

生体弁機能不全になった大動脈弁は、再度開胸し、外科的に新しい弁に変える方法しかありませんでしたが、2回目の手術は侵襲度が高く、ご高齢の方や他の疾患がある方には、リスクの高い手術となっていました。

TAV in SAV は、機能不全に陥った生体弁の内側にカテーテルを用いてTAVI弁を留置する治療です。

基本的には通常のTAVIと同様の手技で、開胸することなく治療が可能となっており、生体弁機能不全の方の治療の選択肢の一つとなっています。