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経皮的PFO閉鎖術

卵円孔開存(PFO)とは

卵円孔とは心臓の右心房と左心房の間にある小さな隙間で,胎児期に胎盤を通して母体からの酸素や栄養を含んだ血液を胎児の全身へと導いてくれる、必須の心臓内部の構造です。

卵円孔は出生後に自然閉鎖しますが,成人に達しても閉鎖しない場合があり、これを卵円孔開存 (Patent foramen ovale: PFO)と呼びます(図1)。実はPFOはしばしば存在するものであり、健常人の4~5人に1人 (約20~25%)の割合でPFOが開いていると言われています。

通常、PFOは小さな隙間なので心機能に悪影響を与えることはありませんが、大きく開放されたりする場合には右心房から左心房への血流を生じやすく、脳梗塞(奇異性脳塞栓症)の原因となることがあります。体内で生じた小さな血栓が体循環を経て右心房に入ったときに、いきみ動作やくしゃみなど右心房の圧力が上がる状況になると、PFOが開いている患者さんでは血栓がPFOを通過して左心房に流入することがあります。左心房に入り込んだ血栓は左心室を経て、全身に送り出され、脳循環に入り込むと脳梗塞を発症します。これがPFOを介した奇異性脳塞栓症のメカニズムです(図2)。PFOを介した奇異性脳塞栓症は脳梗塞を起こした患者さんの5%以上を占めると報告されており、脳梗塞の原因のひとつとされています。

図1:卵円孔開存 (PFO)

図2:卵円孔開存 (PFO)を介した脳梗塞のメカニズム

経皮的PFO閉鎖術

当院は広島県東部地区では初の認定施設として、2026年7月より治療を開始しました。

脳梗塞を起こした原因がPFOを介したものと疑われる患者さんに対して、今後の脳梗塞再発予防を目的として行われるカテーテル治療が経皮的PFO閉鎖術です。2枚の傘でPFOを挟み込む構造をした閉鎖栓をPFOの所まで持ち込み、閉鎖栓でPFOを閉じてしまう手技で、治療成功率99%以上、所要時間は1時間程度の安全な治療です。

経皮的PFO閉鎖術を行った患者さんはその後の脳梗塞の再発が少なくなるため、特に60歳未満でPFOを介した脳梗塞を起こしたことのある患者さんについては、PFO閉鎖術を行うことが推奨されています。

*60歳以上の患者さんでも、脳卒中専門の先生により必要性が高いと判断された場合には治療は可能です。

他院との連携

当院は近隣の脳卒中センターである大田記念病院と連携しており、ご紹介いただいた患者さんのPFO閉鎖術の適応判定が必要な場合には、大田記念病院と相談して判定を行うことも可能です。

PFOを介した脳梗塞と診断がついている患者さんだけでなく、原因不明の脳梗塞で抗血栓薬を継続されているようなPFOの可能性が考えられる患者さんがおられましたら、PFOの診断だけでも当院でお引き受けしますのでお気軽にご紹介ください。

*患者さんご自身からの直接の予約はお受けしておりませんのでご了承ください。