院長のあいさつ

心臓病は、まったなしの病態をとることが多く、迅速でかつ適切な処置と、場合により内科的な診断から外科的な治療へと、シームレスな受け渡しが必要な疾患です。現場で声高に叫ばれている医師や看護師、各技師などのチーム医療の重要性も相まって、その施設の総力を挙げて一人の病人を診療する体制が常に求められる現場なのです。

その一方で、努力が報いられ、命を救うことの喜びをチームに与えてくれる機会が多いのも、循環器医療の特徴です。当院は設立当時、全国的にも極めて珍しかった循環器専門病院でしたが、この循環器医療の特徴が理解されるに従って、全国各地で当たり前に認められる医療形態となりました。

企業には、公益追求と利潤追求の2つの側面がありますが、医療機関においては利潤追求は許されるものではありません。それ故に、「公(おおやけ)」の意識は、県立病院や市立病院だけのものではないのです。それどころか、公務員としての「公」が利権を守る世界に変容していく現代、民間の病院こそが病人のために、公のためにと、職員一丸となって動くことができるのです。故島倉名誉院長が目指したその精神が、当院発展の原動力になっていると信じております。

私どもは、最新・最善の循環器診療を提供すべく、日夜向上に励んでおります。利用される皆様に常にオープンな病院ですので、建設的な意見はどしどし取り入れて、今後共、病人にやさしい治療確立にさらなる努力を致す所存です。

福山循環器病院 院長
向井省吾(むかいしょうご)